【減配】ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)をどう考えるか

配当金目的で投資をされている方にとって、ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)を保有している方も多いのではないでしょうか。
積立ランキングでも上位に位置していた人気の投資信託ですが、2021年4月の1万口当たり配当金が今までの80円→60円へ減配となってしまいました。
今後この銘柄に対して従来通り追加投資していいのか、それとも売るべきなのか。
私自身、一般NISA枠と特定口座枠で30万ずつ保有していますので、私なりの考察を過去のデータを交えながら考えていきます。

※以前ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)の特徴をまとめた記事もありますので、合わせてご覧ください。

過去の分配金推移

過去の分配金推移と前日比のグラフがこちらです。

①分配金推移(青線
 設定来は40円から始まり、45円、50円と短期間で増配を続け、60円まで上がったところで約10年維持し続けています。2015年5月から80円に増配してから約6年間続いていたものの、2021年4月より元の60円に減配という形で戻りました。これから投資する方から見れば魅力は落ち、保有している方は売却を検討し始めることが予想されるため、今後の基準価額や総資産総額をチェックしていく必要があります。ただ、J-REIT自体がコロナショックより立ち直りつつあることが好材料となり、足元では急転回は起こらないのではないかと推測しています。

②前日比(▲プロット)
 前日比とは、配当権利落日とその前日の基準価額の差になります。つまり、配当金を出した後、基準価額がどれだけ変化したかを表しています。株式もそうですが、配当金の権利確定日直後は価額は下がる傾向にあります。配当金以上に基準価額が下落している場合はたこ足配当になっていると考えられますが、J-REIT相場の上下も影響していますのであくまで参考レベルの情報かと思います。気を付けないといけないのは、毎月分配の投資信託は十中八九たこ足分配になっています。配当金目当てで投資した場合、配当金が出るたびに基準価額が下がるため、実質的に原資が減っていることを念頭においてください。

基準価額の推移

設定来の基準価額の推移と純資産総額のグラフがこちらです。

①基準価額(水色)
 設定来10,000円から始まり、順調に基準価額が伸びて20,000円間近まで上昇しましたが、リーマンショックの影響で大きく下落しました。加えて、従来からのたこ足配当(本来の利益以上の配当を設定していたため純資産から配当金をねん出すること)が影響し、設定来10,000円を超えることなく、推移しています。そんななかコロナショックが起こり、さらに基準価額が暴落し、現在では3,500円程度で推移しています。

②分配金を再投資した場合の実質基準価額(濃青)
 この投資信託は毎月の配当金という形で投資家へ還元していますが、もしこの分配金を自動で再積み立てしていった場合の「実質基準価額」をここでは表しています。設定来と現在を比較すると再投資した場合の基準価額が3倍に増えていることとなります。つまり、この投資信託の最大の魅力である毎月の分配金を受け取らず、再投資に回すことで着実に資産を増やすことができているということです。

③純資産総額(黄色)
 設定来より伸び悩んでいたようですが、2013年頃からは右肩上がりで純資産額を増やし続けています。最近の投資ブームも相まって、毎月配当金が出るという点に惹かれて買う方が増えているのでしょうか。そもそもJ-REIT自体の市場は株式などに比べて市場としてはまだまだ小さいですが、その中でも4000億円を超える純資産があるため安定性があるといえると考えられます。

東証リート指数の推移

最後に東証リート指数を確認します。

ダイワJ-REITオープンは東証リート指数に連動した運用をしていますが、東証リート指数のチャートと分配金を再投資した場合のチャートがよく似ていることがわかります。コロナショックの下落から少し時間はかかりましたが、しっかりと回復してきています。東京都心の空室率は13カ月連続で上がっているのですが、新築ビルなどの供給が増加したことによる一時的なものと推定されていますので、今後も緩やかに上昇していく可能性があります。

今後の見通しと戦略

※ここからは個人の見解と考え方になります。
 あくまで判断は自己責任でお願いします。

分配金は減配となったものの、配当金を再投資している場合は影響は軽微だと考えています。
また、純資産総額が順調に増えていること、東証リート指数がコロナ以前に戻ってきていること、配当金が下がった後もそこまで売りが発生していないことを考えると、短期的にはまだ焦る必要はないと思います。

中長期的に見て気になる点としては、このファンドはオフィスが27.2%を占めているため、企業のテレワーク化がさらに推進されるとオフィスからの撤退や縮小による影響を受けやすいのではないでしょうか。
また大きなイベント前後の動向も注意が必要と考えています。
直近では東京オリンピック、2025年の大阪万博、カジノの法整備等などに注目しています。
国内外からの不動産需要や評価アップにより、リート指数も活況になる可能性を持っています。

忘れてはならないのは、そもそも日本の人口は減少の一途をたどっています。
そういう意味では超長期的にJ-REITを保有し続けるのは最善策ではないと考えています。

私の戦略としては、現在保有している分はひとまずはホールドしますが、購入した時に決めた、
①基準価額が4000円を超える
②保有は最長でも5年まで(NISA期間のみ)
のどちらかと満たしたときに売却します。
購入当初はコロナショックで基準価額が落ちていたこともあり、アフターコロナでの回復を狙って購入しましたが、信託報酬が0.792%と非常に高いため、長期保有する気はありませんでした。
他のファンドでも同じことが言えますが、買うことだけではなく出口戦略を考えておくことも投資においては重要です。

これから買うべきか?ともし友人に問われたら、私はこの投資信託はおすすめしません。
なぜなら優先して購入すべきもっといい投資信託はいっぱいありますし、長期的に保有できる投資をすることでより確実に資産を大きくできるからです。

基本的には手数料は0.1%程度のインデックスファンドに「毎月・定額・長期的」に積み立てていくことが、リスクを分散しながら資産を大きくできる確実な方法だと思っています。

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