【驚異のROE】JR東海への投資を考えてみる

コロナ禍の終わりがまだまだ見えない中、レジャー施設や飲食業界が引き続き打撃を受けています。
鉄道株もその一つで人の流れがあってこその業態であるため、昨年度決算は各社で赤字決算という厳しい状況です。
とはいえ、昨年の初めのような学校が休みになったり、なぜか強制的にテレワークになったりなどにはなっていないため、少しは回復傾向にあるのではないかと思います。
私も最初の緊急事態宣言の時にはテレワークになりましたが、そもそもシステムや業務的にテレワークで成立する仕事ではないため、ぶっちゃけほぼ仕事なんてできていない状態でした。
緊急事態宣言が明けて出社したと思ったら仕事は富士山のごとく山積み。
ひどい目にあったのを覚えています・・・。
その後も数回緊急事態宣言が出ていますが、1回目の教訓もあって私の職場だけテレワーク免除になりました笑
個人的には環境が整ってさえいれば、テレワーク最高だと思うんです。
通勤時間ないし、集中しているときに上司から話しかけることもないし、何より気分転換に散歩行ったりできるし。
テレワークできる職場に異動したいなと思っている今日この頃です。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の紹介となります。
私が注目している銘柄の一つで、アフターコロナに期待が持てると考えています。

JR東海の特徴

まず最初に鉄道が詳しくない方向けに補足すると、JRはもともとは日本国有鉄道(通称、国鉄)という一つの国営の会社でした。
前回の東京オリンピックがあった1964年に新幹線が開通し、順風満帆に見えましたが、昭和の後半になると経営状況が悪化し、ストライキ等も頻繁におきていました。
そして1987年に分割民営化し、7社に分かれてそれぞれが民間会社となりました。
JR北海道、JR東日本、JR西日本、JR四国、JR九州、JR貨物、そしてJR東海。
各社で路線をわけ、いまでも日本の重要なインフラ網として健在です。

そんな中でJR東海の特徴といえば、何といっても東海道新幹線です。
日本のGDPの約6割を占めるエリアをカバーしており、東京ー大阪間の主力都市を結ぶ日本の大動脈といえる路線を主力に、名古屋・静岡地区の都市圏輸送を中心に東海・甲信地方など10県・12線区の在来線も有しています。
東海道新幹線の運営を軸に鉄道事業、関連事業(流通/百貨店・キオスク、不動産/賃貸・「JRゲートタワー」、ホテル・旅行・広告業など)を展開しています。
何かと話題になっている超電導リニアによる中央新幹線計画や海外高速鉄道プロジェクトへのコンサルティング事業を推進しており、日本の鉄道会社の中では数少ない海外展開も視野に入れています。

決算について

売上高の半分以上は鉄道運輸収入であり、運輸収入の大部分を新幹線が占めています。
JR東日本は在来線、JR九州は観光列車など、各社で収入体系に特徴があります。
ちなみに2021年度の決算はというと、

売上高・・・8235億円(前年度比△55.4%)
営業利益・・・ー1848億円(前年度比△128.2%)
経常利益・・・ー2621億円(前年度比△145.6%)
純利益・・・ー2016億円(前年度比△150.7%)

東海道新幹線は走るドル箱とも比喩されるほど、JR東海にとっては稼ぎ頭ですが、国内の移動はもちろん、海外からのインバウンド客も激減しているため、非常に厳しい決算となっています。
2022年度の見通しも年初は900億の黒字を見通していましたが、デルタ株やラムダ株の出現によってコロナの感染拡大が大きく響いており、四半期決算の際に通期見通しを150億の黒字と下方修正をしました。
昨日、緊急事態宣言の再延長の検討に入ったとの報道もありましたので、第二四半期もかなり厳しい決算が出るのではと予想しています。

JR東海は今後どうなるのか

ここまでを見ると、「あれ?JR東海やばいのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、私が注目している理由はここにあります。

・昨年度の大赤字でも自己資本比率は2%しか減っていない(40%⇒38%)
・赤字になる前はずば抜けたROEであった(20%後半)
・テレワークが定着しない見込み
・海外へのコンサル事業も積極的

2000億の赤字を出しておきながら自己資本比率は2%しか減ってないという、化け物のような経営体力があります。
新幹線や超電導リニアの長期借入金もありますが、経営としては抜群に安定しており、まず倒産などはあり得ません。
さらには赤字前はROEが鉄道会社の中ではずば抜けており、稼ぐ力が非常に強い会社です。
短期間の紅葉輸送が好調だっただけで、昨年のコロナ禍にも関わらず第3Qが黒字だったことからも、稼ぐ力の強さを感じます。
またテレワークの定着率が上がっていないとのデータもあります。
コロナの出始めは40%程度まで上昇したテレワーク率ですが、直近では20%程度で推移しています。
これは日本がテレワークに向いていない業務体系となっていることが多く、テレワークによる企業活動への影響が明るみになってきている証拠です。
Amazonですら社員のオフィス復帰を計画しているとのことで、「完全テレワーク」というのは一朝一夕では成立しないのでしょう。
今後、出社・対面文化が戻ってくると、必然的にビジネスユーザーを多く持つ東海道新幹線は回復の道をたどることになる期待感があります。

一方でいいことばかりではなく、長期的に見ればリスクもあります。

・超電導リニアの動向
・南海トラフ地震や首都直下地震による影響

超電導リニアに関しては大井川の流量を巡って静岡県と折り合いがつかない状況になっています。
元々は東京ー名古屋間を2027年に開通させるという計画でしたが、静岡県との問題が解決できていないこともあり、遅れる可能性が高いとの見通しがあります。
そうなると用地獲得はしているものの、収益を生み出さない期間が長くなってしまいますので、その分固定費に圧迫されて利益の鈍化が想定されます。
もし静岡県と折り合いがついて工事が開始されたとしても、屈指の難工事といわれる南アルプストンネルの採掘でトラブルが起きる可能性もありますし、豪雨のような自然災害で思うように工事が進まないというリスクもあります。
南海トラフも30年以内に80%の確率で起きるといわれていますので、自然災害により経営状況が左右される可能性もあります。
いくら耐震工事を積み重ねているとはいえ、無傷では済まないのではないかと思います。

ただし、超電導リニアについてはリスクだけではなく、株価が跳ね上がる要因にもなりえます。
実際、品川駅開業などのビックイベントの際は株価が暴騰しましたので、爆発力を秘めていると考えます。

まとめ

緊急事態宣言の延長、コロナの爆発的な感染拡大など、鉄道株にとって厳しい状況が続きますが、ある意味狙っている方はチャンスなのではないかと思います。
将来の回復を期待して保有を検討してみてはいかがでしょうか。

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