株主優待の人気ランキングで上位の常連であったヤマダホールディングスですが、2021年2月4日に株主優待制度の変更についてお知らせがありました。
株主優待を目的としていた方にはかなりインパクトのある改悪となりました。
ここでは変更点と、これから保有するべきなのかを個人的な見解を交えながら紹介します。
ヤマダホールディングスの株主優待とは?
ヤマダホールディングスの株主優待は税込み合計金額1000円ごとに、1枚使用できる500円分の優待券です。
店舗でしか使用できないという制約はありますが、ヤマダ電機は全国的に店舗を展開しているので不便に感じる点はありません。
また、3月末と9月末に基準日が設けられているので、年間を通して優待券を使用することができます。
家電製品はもちろん、日用品や食品も取り扱っており、1000円以上買えば実質半額で商品を購入できるため、お得感を満足感が高い優待券です。
株主優待の変更点
今回大きく変更となったのは2点あります。
優待券枚数の変更
ヤマダホールディングスの株主優待は100株以上、500株以上、1000株以上・・・のように保有株数に応じて優待券の枚数が決まっています。
今回は100~499株の保有数に対する優待券の枚数が減りました。
変更前:3月末 1,000円分(2枚)、9月末 2,000円分(4枚)
変更後:3月末 500円分(1枚)、9月末 1,000円分(2枚)
なんと半分になってしまいました。
ヤマダホールディングスは株価が520円前後のため、少ない資金から優良な優待がもらえる点が魅力でした。
優待券とは別に配当金もしっかり出るため、優待券+配当金の利回りは7%以上になり、高配当銘柄でした。
残念ながら今回の変更を反映すると、配当利回りは4~5%程度になりそうです。
それでも十分高水準ではあるのですが、魅力は半減してしまいました。
保有期間による優待の撤廃
いままでは1年以上及び2年以上保有をしていた場合、上記に加えて年間最大2,500円分(5枚)の優待券上乗せがありました。
これは非常に魅力的な制度で、長期保有をすることで100株保有していた場合の配当利回りは実質10%近くになっていました。
しかしながら、この保有期間による優待上乗せが完全に撤廃となりました。
実はヤマダホールディングスの株主優待は保有株数が100株の時が最大の利回りになるため、大量保有するほど利回りが下がるという現状がありました。
今回の変更は上記の問題を解消したいという意図があるのではないかと考えています。
ヤマダホールディングスの株は売るべきか
株主優待が魅力であったヤマダホールディングスですが、優待の改悪により売るか考えている方も多いのではないでしょうか。
では改悪後の配当利回りはどうなるのか、売るべきなのかを個人的な見解を交えて考察します。
変更後の配当利回りを計算
変更後の配当利回りを保有数量別に算出してみます。
株価については516円(6/11現在)とし、1株配当は18円(2021/3実績)とします。
またここでは計算を簡単にするため、税率は20%と仮定しています。
保有数 | 必要資金 | 配当金(税引後) | 株主優待 | 実質利回り |
100 | 51,600 | 1,440 | 1,500 | 5.70% |
500 | 258,000 | 7,200 | 5,000 | 4.73% |
1000 | 516,000 | 14,400 | 10,000 | 4.73% |
2000 | 1,032,000 | 28,800 | 10,000 | 3.76% |
5000 | 2,580,000 | 72,000 | 10,000 | 3.18% |
変更後においても100株のみ保有するのが最も利回りが高いことがわかります。
変更前はより格差があったため、変更に踏み切った理由もわかる気がします。
1000株までは優待と合わせた実質利回りは高い水準を保っていますが、やはり保有株数が増えても株主優待が変わらないという点で実質利回りが減少していきます。
業績から見た企業分析
ヤマダホールディングスの業績推移は以下の通りとなっており、非常に安定しています。
年 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) |
2017 | 1,563,056 | 57,895 | 66,040 |
2018 | 1,573,873 | 38,763 | 47,335 |
2019 | 1,600,583 | 27,864 | 36,889 |
2020 | 1,611,538 | 38,326 | 46,074 |
2021 | 1,752,506 | 92,078 | 98,875 |
過去10年を見ても安定した売上高、経常利益を上げています。
セグメント別にみると、主力はもちろん電化製品関係が85%を占めていますが、近年は住宅関係にも力を入れており、約10%を占めています。
あくまで小売業なので成長は緩やかだと考える反面、今後10年スパンで日本の人口減少が顕著になっていった際、海外展開をしていないことによる影響が出てくるのではないかと考えます。
継続保有してチャンスがあれば買い増し
家電量販店の中でトップであること、業績が安定しており急激な変化は起きにくいこと、そして何より配当利回りが引き続き高水準であることを踏まえ、私は継続保有をし続けます。
テクニカル的にみてもPERは割安であり、売るべきタイミングではないと考えます。
現時点では最高利回りが得るために100株しか保有していませんが、今後500円を切るようなことがあれば500~1000株保有まで買い増しをしていこうと考えています。
まとめ
株主優待に関して大きな転換があったヤマダホールディングスですが、多くの株主はがっかりしたものの保有を継続しているように見えます。
銘柄によってはコロナ禍からのアフターコロナを見据えた株価変動が目まぐるしく起こっています。
そんな中でも安定的な売上高と利益を確保できており、継続的な配当が得られるであろうという信頼感も含まれていると感じます。
今後もヤマダ電機を愛していきたいと思います。笑
コメント