米国ETFのなかにはあるセクターに特化したETFも存在します。
ETF単体だけでも、例えばVOOであればS&P500に分散投資ができますが、それだとポートフォリオ的には米国株100%という状態になります。
これだと米国株の中では分散できていますが、米国株が暴落した場合のリスクヘッジができていません。
よく言われているポートフォリオのように株式を6割程度、債券を2割程度、不動産とコモディティをそれぞれ1割程度とセクター別に分散させることも必要になります。
米国ETFを上手く活用することでセクター別の分散とセクター内の分散を両立することができますので、ポートフォリオも考えやすいかと思います。
今回は米国ETFのなかで不動産部門となる「IYR」についてご紹介します。
IYRとは?
IYR(iシェアーズ米国不動産ETF)はダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指しています。
米国の不動産会社及び不動産に直接投資し、不動産投資信託(REIT)に投資します。
※ダウ・ジョーンズ米国不動産指数とは、米国市場の不動産セクターの動向を示す株価指数です。同指数は、不動産の保有・開発業及びリート(不動産投資信託)を含む米国の不動産セクターの銘柄で構成されています。
主な組み入れ銘柄としては、専門不動産が約38%、住宅用が約15%、工業用が約10%、店舗・ヘルスケアが約8%となっています。
専門不動産とはインフラや物流などのセクターなどがあります。
観光やオフィスは比率が低めになっており、バイデン大統領が押し進めるインフラ整備も控えていますので、安定感がある銘柄ではないかと思います。
IYRの詳細データ
設定日:2000年6月12日
純資産総額:77.6億$(2021/9/17時点)
保有銘柄数:86銘柄
配当金利回り:1.96%
配当日:年4回(3,6,9,12月)
経費率:0.41%
(2021.9.17時点情報)
現在価格:106.79$
1年リターン:32.38%
3年リターン:12.15%
5年リターン: 9.65%
VOOなどと比較すると純資産総額は少なく見えますが、それでも日本円にして9000億円に迫る純資産となっています。
保有銘柄数は少なく見えますが、投資対象がREITなので数字以上に分散は効いています。
配当利回りも安定して推移しているのでインカムゲインも得られますが、経費率は米国ETFのなかでは少し高めになっています。
ただし、他の不動産リートと比べて特に高いわけではなく、経費率0.4%は平均値くらいです。
コロナ禍で大幅に下落はしたものの、いまではコロナ前の最高値を更新しています。
注意するべきは金融関係のビックニュースがあったときに大きく左右されやすいということです。
過去のチャートを見てもリーマンショックが起こった2008~2009年は70%程度の大暴落をしています。
リーマンショック前の最高値である2007年頃の92$台を回復するのに10年以上かかっていますので、S&P500などに比べてゆったりしたペースで成長していくことが読み取れます。
まとめ
不動産系のETFである「IYR」を紹介しました。
不動産ETFを購入する際はインフラ、オフィス、ヘルスケアなどどの部門にウェイトを置いているかが重要です。
個人的には日本のREITより米国REITのほうが長期保有の面では有利なのではないかと思います。
それはなぜかというと、日本は米国と違い人口が増加している点です。
人口が増加しているということは住居やそれに伴うインフラ設備が必要になります。
また高齢者が増えることでヘルスケア部門も必要になってくるかと思います。
観光やオフィス比率が低めになっているので、今後さらにワークスタイルの自由化が進んだ場合でも影響を受けにくく、安定している銘柄ではないかなと思っています。
ポートフォリオの調整・分散をするにあたり、購入銘柄の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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