企業型確定拠出年金がおすすめな理由

資産運用をする手段の一つである確定拠出年金は個人型(iDeCo)と企業型があります。今回は企業型確定拠出年金(以降、企業型DC)を紐解いていきます。

確定拠出年金とは?(DC:Defined Contribution Plan)

そもそも確定拠出年金(DC)は、2001年に導入されました。従来のように国や企業が年金を運用するのではなく、自身で運用する制度です。最近は投資のハードルがどんどん下がっているので受け入れやすいですが、当時は根付くのか疑問視する声もあったようです。ですが、現在では確定拠出年金を取り入れる企業も増え一般的になってきました。

私の勤める会社も2014年頃から企業型DCを取り入れています。当時はまだ20代半ばであり、金融リテラシーも低かったので講習会すら行きませんでした。(制度をしっかり理解して若いうちから取り入れればよかったと後悔しています。)

一言に企業型DCと言っていますが、いくつかのパターンがあります。

共通部分

 ・会社が掛金を従業員の年金口座に毎月積み立ててくれる

 ・従業員が自ら資産の運用を行う

 ・将来受け取れる退職金・年金が運用実績によって変動する

 ・事務手数料は企業負担(iDeCoは年5000円程度の自己負担)※証券会社による

企業によって違う部分

 ・掛金を企業が全額拠出する

 ・企業が拠出する掛金に加え、従業員が掛金を上乗せできる(マッチング拠出)

 ・任意加入型(賞与に「生活設計手当」のように別枠支給している企業もあるようです)

 ご自身の勤める会社が企業型DCを取り入れているのか、掛金をどのように拠出しているのか確認をしてください。(私の勤める会社は任意加入型でした)

なぜ節税になるのか?

 ※節税の仕組みについては個人型と企業型で違いますので注意をしてください。

 企業型DCは給与として支給するかわりに、掛金として拠出します。つまり、「給与が減る」ということになります。給与が減るということは、給与所得にかかる所得税や社会保険料、住民税等の「税率がかかる部分」が減ることになるため、節税になるということです。

簡単に具体例を挙げてみます。

<年収(税引前)750万、40歳で加入し、月15,000円積み立てた場合>

 所得税・住民税・・・80.5万円/年 ⇒ 76.4万円/年(△4.1万円)

 社会保険料  ・・・108万円/年  ⇒ 105.4万円/年(△2.6万円)

 20年の加入期間における節税額=(4.1 万円+ 2.6万円)× 20年 = 134万円

いかがでしょうか?月1.5万円を拠出することで、20年間で134万円も節税が可能です。

これに加え、運用における利益も非課税となります。

仮に年2%で運用すると、元本360万円に対して利息が82万円となり、本来は16.4万円の税金がかかりますので、実質150万円程度の節税になります。

確定拠出年金におけるデメリット

いいことばかりに見える制度ですが、デメリットもあります。

デメリットに対する私なりの見解も記載します。

①60歳まで引き出せない(掛金の変更は可能)

 ⇒貯金が苦手な人にとってはメリット?

②手取りが減る

 ⇒無理のない余裕資金の範囲とする

③運用次第では元本割れの可能性がある

 ⇒リスクの低いインデックスファンドを選択することがおすすめ

④企業型DCは将来の年金が減ったり、傷病時の保証が減額となる(標準報酬額が減るため)

 ⇒減額する年金<節税効果のため気にしなくて問題なし(年金は結果的に増える)

なんにせよ、加入の前に自身のライフプランを見据えて判断する必要があります。ほかの節税である住宅ローン減税やふるさと納税を併用する場合、それらの節税効果が薄れてしまう可能性があります。この辺は計算が非常に複雑になりますが、ネットで検索するといくらでもシミュレーションサイトは出てくるので、試算をしてみてください。

結論:企業型DCは加入した方がいい

一般NISAや積立NISAを活用しつつ、企業型DCへの加入は非常におすすめです。

私は住宅ローン減税とふるさと納税を併用していますので、積立NISAへ月3.3万円と企業型DCへ月2.0万円の設定をしています。まだローンを組んだばかりで住宅ローン減税効果が高いのですが、今後返済が進み、かつ年収も上がってきたら企業型DCの掛金も増やすつもりです。

現役時代の手取りが減るとはいえ、余裕資金の範囲でやる分には影響はありません。それよりも60歳になった時点で100万円以上の節税をしつつ、ある程度まとまった老後資金が自動的に構築されているというのは非常に魅力的ではないでしょうか。

ライフイベントに対する貯蓄は確保し、くれぐれも無理のない範囲での実施をご検討ください。

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